社内イベント・クリエイティブ
社内イベント・クリエイティブ制作のオージャスト2026-11-06
2026-11-06
新規事業を立ち上げる際、どれだけ優れた事業計画を描いても、それを動かす社員一人ひとりが腹落ちしていなければ、力は分散してしまいます。とりわけ複数の部門を巻き込む新規事業では、関わるメンバーの立場や関心がばらばらなため、最初の「キックオフ」で全社が同じ方向を向けるかどうかが、その後の推進力を大きく左右します。
この記事では、人事・総務・経営企画のご担当者に向けて、新規事業キックオフを単なる説明会で終わらせず、全社でビジョンを共有する場として設計するための考え方と具体的な進め方を整理します。準備の進め方、プログラムの組み立て、担当者の巻き込み方まで、実務で使える観点を順にお伝えします。
目次
キックオフの設計は、派手な演出や会場選びから入るのではなく、まず「何のために開くのか」を言葉にするところから始まります。目的が曖昧なまま準備を進めると、プログラムが総花的になり、終わった後に何が残ったのか分からない、という事態に陥りがちです。新規事業のキックオフでは特に、関わる人数が限られていても全社に意味を伝える必要があるため、目的の言語化が後の判断軸になります。
最初に取り組むべきは、目的と成功の定義(KPI)の言語化です。たとえば「事業ビジョンの理解度」「参加者の納得感を測るアンケート結果」「立ち上げメンバー以外の社員の関与意欲」といった指標をあらかじめ設定しておきます。こうした指標を先に置くことで、プログラムの一つひとつが目的に沿っているかを判断しやすくなり、準備段階での取捨選択がスムーズになります。
新規事業のキックオフには、二つの役割が混在しがちです。一つは全社に向けて事業の方向性と意義を伝える「共有」の役割、もう一つは実際に動くメンバーの熱量を高める「決起」の役割です。この二つを一つのイベントにまとめる場合でも、どちらに比重を置くのかを意識して設計すると、メッセージがぶれにくくなります。参加者の範囲や当日の進行は、この比重によって大きく変わります。
新規事業のビジョンは、ともすると抽象的なスローガンや数値目標の羅列になりがちです。しかし、聞き手の心に残るのは、具体的で情景が浮かぶ語り方です。社内イベントの参加者は、登壇する経営者や事業責任者と日常的に接しているため、普段から語られている言葉だけでは響きにくいという特性があります。だからこそ、普段は語られていない奥のエピソードまで引き出すことが、ビジョン共有の鍵になります。
たとえば「資金繰りが厳しかった」という抽象的な表現よりも、創業期の苦労を具体的な情景として語るほうが、聞き手の記憶に残ります。新規事業の立ち上げ背景を語る際も、「なぜこの事業を始めるに至ったのか」を、意思決定の裏にあった具体的な場面やエピソードとともに伝えることで、数字だけでは伝わらない必然性が共有されます。登壇者への事前共有の場で、こうした深掘りのやり取りを行っておくと、当日の語りに厚みが出ます。
組織の核は、創業者や事業発起人のストーリーにあるといわれます。新規事業であっても、その着想の原点にある思いを掘り下げて語ることで、全社が「なぜ今これをやるのか」を自分ごととして受け取りやすくなります。深掘りしたインタビュー映像は、キックオフ当日だけでなく、その後の社内コミュニケーションや新入社員向けの教材としても長く活用できる資産になります。
目的とビジョンの軸が定まったら、当日のプログラムに落とし込みます。ここで意識したいのは、参加者のモチベーションの源泉が人によって異なるという点です。組織研究では、人を動機づける要素は多数あるとされ、事業の方向性に動機づけられる人もいれば、人とのつながりや、自分の成果が称賛されること、学びや成長に動機づけられる人もいます。プログラムは、こうした幅広い動機をできるだけカバーするよう組み立てると、より多くの社員の関与を引き出しやすくなります。
一つの型として、オープニング映像で場の空気をつくり、経営者が全体の方向性を語り、事業責任者が具体的な計画を示し、関わるメンバーへの期待を伝え、最後に懇親の時間でつながりを深める、という流れが挙げられます。それぞれのパートには意味があり、方向性に動機づけられる人、つながりに動機づけられる人、成果を認められたい人など、異なるドライバーを順にカバーしていく構成になっています。
進行台本が粗いと、当日の運営がぎこちなくなります。台本には、時間配分、各パートの担当者、場面転換のきっかけ(キュー)を明記しておきます。司会と登壇者の連携も重要で、登壇者が次の演目を把握していないと会場に沈黙が生まれてしまいます。事前のリハーサルと、登壇者への演目共有を徹底することで、こうした間延びを防げます。オンラインを併用する場合は、音声・映像のトラブルが起きやすいため、本番前の接続テストと予備回線の用意が有効です。
経験価値を高めるうえで鍵になるのは、イベントを構成する各要素が一つのテーマで「統合」されている状態をつくることです。映像のテイスト、資料のデザイン、会場の装飾、プログラムの運営がばらばらだと、せっかくのメッセージが散漫に伝わってしまいます。そのため、準備の早い段階でテーマ・コンセプトを優先して決めておくことをおすすめします。
テーマが先に決まっていれば、その後に検討する映像・資料・装飾・進行のすべてを同じ世界観でそろえられます。新規事業のキックオフであれば、事業の目指す世界観やキーメッセージをテーマに据え、当日の体験全体がそのテーマを体現するように設計します。統合された体験は、参加者の記憶に残りやすく、事業ビジョンの浸透にもつながります。
準備には相応の時間がかかります。良い会場ほど早く埋まるため、会場の確保は可能であれば一年前から動くのが理想です。企画準備そのものには三ヶ月から半年程度を見込んでおくと、台本の作り込みやリハーサルにも余裕を持てます。開催時期は、会社の決算リズムや事業の立ち上げスケジュールに合わせて設定すると、全社の動きと連動させやすくなります。
新規事業キックオフの成否を分けるのは、外部に任せきりにしないことです。外部の制作会社がプロとして企画しても、社内の空気を知っている担当者から自然に生まれたアイデアのほうが、社員に刺さることが少なくありません。打ち合わせの中で出てくる「うちの会社はこういう文化があるから、こうしたほうがいい」という声を大切にする姿勢が、結果として当日の満足度を高めます。
担当者は、途中で変更が入ったり経営の都合で方向が変わったりすると、外部業者に「申し訳ない」と感じてしまいがちです。しかし、直前の変更こそ良いアイデアが生まれる瞬間でもあります。変更や新しい提案が出たときに「いいですね、ぜひ反映しましょう、他にもアイデアがあれば教えてください」と即座に肯定で受け止めることで、担当者は遠慮なく意見を出せるようになります。制作を支援する側には、こうした傾聴の姿勢が求められます。
過去のイベントで盛り上がった企画、そうでなかった企画をデータベースとして蓄積しておくことも有効です。これは自社の文化や価値観を映す判定材料になり、次の企画の精度を高める資産になります。新規事業であっても、過去の社内イベントの反応を参照することで、自社の社員にどんな演出が響くのかを推し量ることができます。
新規事業キックオフを全社でビジョンを共有する場にするには、まず目的と成功の定義を言語化し、ビジョンを情景が浮かぶ具体的な言葉で伝えることが出発点になります。参加者の多様な動機をカバーするプログラムを組み、進行台本を精緻に作り込み、テーマとコンセプトで全体を統合すること。そして、現場担当者のアイデアを心理的安全性のもとで引き出し、過去データを資産として活かすこと。これらを丁寧に積み重ねることで、キックオフは単なる説明会を超えた、事業の推進力を生む場になります。

オージャストは、社内イベントの企画・台本制作・当日運営・装飾・映像制作までを一気通貫で支援しています。社員総会やキックオフ、表彰式の演出設計に強みがあり、現場担当者の声を丁寧に引き出しながら、御社らしいビジョン共有の場づくりをお手伝いします。新規事業のキックオフ設計でお悩みの際は、目的の整理段階からご相談いただけます。
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