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「派手な演出ほど社員は冷める」オージャスト代表が語る感動を生む社内イベントの本質

2026-09-09

「派手な演出ほど社員は冷める」オージャスト代表が語る感動を生む社内イベントの本質

2026-09-09

社内イベントに予算をかければかけるほど、社員の心は離れていく——そんな逆説的な現実が、現場には存在します。豪華な会場、プロの照明・音響、華やかな映像演出。一見すると「本気度」の証明に見えるそれらが、なぜか社員の白けた顔を引き出してしまうことがあります。では、本当に人の心を動かす演出とは何なのか。株式会社オージャスト代表の金功勇に話を聞きました。社内イベントの企画・制作・運営に20年携わってきた代表が語る「手間をかける演出」の考え方は、予算規模とは無関係に、あらゆる組織の担当者にとって示唆に富んでいます。

 

「そんなお金があるなら、給料に反映してほしい」——派手な演出が生む冷め

社内イベントの現場に長く立ち続けていると、ある種のパターンが見えてくると代表は言います。豪華な装飾や大型スクリーンを用意しても、社員の表情がどこか遠い。それどころか、終演後に「あれだけお金をかけるなら、給料を上げてほしかった」という声が上がることさえあります。

「派手な演出を求めると、社員は冷めます。『そんなお金があるなら、給料に反映してほしい』——これが正直なところです。誰だってそう思います」

代表がこう語るとき、その言葉には長年の現場経験から来る静かな確信があります。豪華さ・華やかさは、見る側に「コスト」を意識させてしまいます。社員は無意識のうちに「この演出にいくらかかったのか」を計算し、その数字と自分への処遇を比較してしまうのです。

これは決して社員の意識が低いからではありません。むしろ、派手な演出が「会社が自分たちのために何をしてくれたか」ではなく、「会社がどれだけのお金を使ったか」に焦点を当てさせてしまう構造的な問題です。お金の話がちらつく限り、感情は動きにくくなります。

 

手間は「あなたのために時間を使った」という証拠になります

では、その対極にある「手間をかけた演出」は、なぜ人の心を動かすのでしょうか。代表の説明は明快です。

「手間とは、『自分のために、誰かが時間とエネルギーを使ってくれた』という事実です。お金で買えるものではなく、自分という存在が大切に扱われた、という証拠なんです」

ここに、演出の本質があります。豪華なセットは業者に発注すれば完成しますが、手間は発注できません。誰かが時間を削り、足を運び、頭を使い、心を込めて初めて生まれるものです。受け取る側はその事実を——言葉にはしなくても——肌で感じ取ります。

代表が繰り返す言葉があります。社内イベントが成功した瞬間のサインとして、「こんなことまで考えてくれたんだ」「こんなことまで調べてくれたんだ」「こんなことまで用意してくれたんだ」というリアクションが出てくることを挙げています。この「まで」という副詞の中に、感動の構造が凝縮されています。予想の範囲を超えてきた、期待以上のことをしてもらった——その驚きこそが、感情を揺さぶるのです。

「驚かないなら、まだ足りない。やり直す。予算が許す範囲で、最大限の手間をかける」という言葉も、代表が演出設計において自らに課しているスタンダードです。ここでも強調されるのは「予算が許す範囲」という制約の中で、いかに手間をかけるかという発想です。お金を増やすことではなく、時間とエネルギーの使い方を変えることが問われています。

 

150人の元顧客に会いに行く——「地味で徹底的な手間」の実例

代表の言葉を最も鮮やかに体現するエピソードの一つが、ある社員を称えるために行われた取り組みです。その社員がこれまで関わってきた元顧客150人のもとへ、直接会いに行ってメッセージを集めたというものです。

「150人を訪問するのにかかったのは、主に移動費と人件費、つまり時間です。豪華なホールを借りる予算と比べれば、決して大きな金額ではありません。でも、生まれた感動は比較になりませんでした」

この一言に、手間をかける演出の核心があります。金額の大小ではなく、「そこまでやるか」という意志の量が、受け取る側の感情を動かします。150人のもとへ足を運ぶという行為は、その社員一人のために本気で時間を使ったという、何よりも雄弁なメッセージになります。言葉ではなく、行動で示す「あなたは大切な存在です」という表明です。

この取り組みが示すのは、感動を生む演出は必ずしも「見た目」に宿るわけではないということです。スクリーンに映し出された派手な映像よりも、顔も覚えていないかもしれない元顧客がわざわざカメラの前でメッセージを語ってくれた事実——その地味で手のかかった事実のほうが、はるかに深くその人の心に届きます。

 

「地味でいい。ただし、徹底的に手間がかかっていること」

代表が次の社内イベントを企画する担当者へ向けて伝えるメッセージは、シンプルながらも明確です。

「豪華にする必要はありません。むしろ、地味でいい。ただし、徹底的に手間がかかっていること」

この言葉は、予算が限られている組織にとっての解放でもあります。お金がないからといって感動的なイベントをあきらめる必要はない。むしろ、手間をかけることにフォーカスすることで、お金をかけたイベント以上の体験を生み出せる可能性があります。

では、具体的にどのような手間が考えられるのでしょうか。代表が挙げるのは、次のような取り組みです。

・称えたい人の家族にこっそり連絡してメッセージをもらうこと。

・入社時の写真を本人に内緒で集めて編集すること。

・同期や元同僚に声をかけて手紙を集めること。

・その人が手がけたプロジェクトの数を、過去をさかのぼってすべて数え上げて発表すること。

いずれも、見た目は地味です。豪華なセットも、プロのパフォーマーも必要ありません。必要なのは、担当者が「この人のためにここまでやろう」と決意し、実際に動くことです。その意志と行動の痕跡が、演出としての力を持ちます。

 

演出の統一性——すべてが一つのテーマに束ねられていること

手間をかける演出の話と並行して、代表が重視するもう一つの要素があります。それは「統合」です。映像のテイスト、資料のデザイン、会場の装飾、プログラムの運営——これらがバラバラではなく、一つのテーマ・コンセプトのもとに束ねられていること。代表はこれを、経験経済の知見に基づいて語ります。

「演出が統合されているということが、経験価値を高めます。テーマを最初に決めるのはそのためです。一つひとつの要素がどんなに良くても、バラバラでは伝わり方が散漫になってしまいます」

さらに代表は、過去のイベントデータを蓄積することの重要性も語ります。どの企画が盛り上がり、どの企画が盛り上がらなかったか——それを記録してデータベース化することが、そのコミュニティ(組織)の文化と価値観を理解する手がかりになり、次のイベントの企画精度を高める資産になるという考え方です。

「10年前のイベント素材を、10年後のイベントで活用できます。10年前の新入社員が部長になったとき、当時のスピーチを演出に使えるんです。ストーリーの幅が、時間とともに広がっていきます」

このような長期的な視点は、社内イベントを「単発のイベント」としてではなく、組織の文化を育てるための継続的な設計として捉えているからこそ生まれます。手間をかけた演出の積み重ねが、やがて組織全体のモメンタム——前向きな勢い——を形成していくという信念が、代表の活動の根底にあります。

 

まとめ

株式会社オージャスト代表の金功勇が語る演出論の核心は、「お金をかけることではなく、手間をかけること」という一点に集約されます。派手な演出は社員に「コスト」を意識させ、かえって冷めた反応を引き出してしまいます。一方、地味であっても徹底的に手間がかかった演出は、「自分のために誰かが時間とエネルギーを使ってくれた」という事実として受け取られ、深い感動を生みます。150人の元顧客のもとへ足を運んだエピソードが象徴するように、感動は予算の大小ではなく、意志の深さから生まれます。演出が一つのテーマに統合されていること、過去のデータを蓄積して組織の文化を理解していくこと——これらが組み合わさることで、社内イベントは組織のモメンタムを動かす場になります。

取材・文:オージャスト編集部

 

社内イベントの演出設計はオージャストにおまかせください

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オージャストは、社員総会・キックオフ・表彰式・周年イベントなど、さまざまな社内イベントの企画・制作・運営を支援しています。代表が語る「手間をかける演出」の考え方を軸に、組織の文化や価値観を踏まえた演出設計をご提案しています。派手さよりも深さ、予算の大小よりも手間の質にこだわった社内イベントを検討されている方は、ぜひオージャストにご相談ください。