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「当日だけ盛り上がっても意味がない」社員総会を組織変革の起点にする時間設計とは

2026-10-07

「当日だけ盛り上がっても意味がない」社員総会を組織変革の起点にする時間設計とは

2026-10-07

社員総会やキックオフイベントを終えた翌週、職場の空気はどう変わっているでしょうか。「あの日は盛り上がったね」という記憶が薄れ、気づけばいつもの日常に戻っている——そんな経験を持つ人事・総務担当者は少なくないはずです。では、なぜ「当日の成功」だけでは不十分なのか。社内イベントの企画・制作・運営を支援する株式会社オージャスト代表の金功勇に話を聞きました。イベントを「プレショー・本番・アフターショー」という3段階の時間軸で捉え直すことで、組織にどのような変化をもたらせるのか、その考え方と具体的な手法を語っていただきました。

 

「イベント当日」という発想を手放すところから始まります

社員総会や全社キックオフの設計を依頼されるとき、多くの担当者が「当日のプログラムをどうするか」という視点で相談に訪れます。しかし代表は、その前提となる時間軸の捉え方そのものを見直すことを勧めます。

「社内イベントを『当日の体験』として完結させてしまうと、どうしても効果が限定的になってしまいます。参加者が事前に期待感を高め、当日に感情が動き、その後の日常業務に感動や気づきが持ち越される——この一連の流れを設計して初めて、イベントが組織に本当の意味で作用するのです。」

代表が提唱するのは、イベントを「プレショー・本番・アフターショー」という3つのフェーズで構成するという考え方です。この枠組みに従えば、準備期間も、イベント終了後の数週間も、すべてが意図的に設計された「体験の一部」になります。単なる進行スケジュールの話ではなく、参加者の感情と行動をどう動かすかという、組織コミュニケーションの設計論と言えるでしょう。

 

プレショー:期待感を積み上げる「じらし」の技法

多くの企業では、社員総会の案内は開催日の数週間前に一斉送信されて終わりです。しかし代表は、この「一発告知」こそが当日の没入感を下げる原因のひとつだと指摘します。

「会場が決まった段階でその情報を出す、表彰項目が決まったら少しずつ公開する、参加型の企画が生まれたらそのヒントだけ先に伝える——こうして情報を小出しにしていくことで、社員は何度もイベントのことを考える機会を持ちます。当日だけでなく、告知の段階から気持ちが動き始める状態を作ることが大切です。」

情報を「じらしながら渡す」ことは、単なる演出の話ではありません。人は自分が何度も考えたことに対して、より強い関心と感情移入を持ちます。プレショーの設計とは、参加者の心理的な準備を整えるプロセスでもあるのです。

さらに代表が強調するのは、移動時間さえもプレショーに組み込めるという発想です。「たとえば会場までのバス移動も、設計次第で体験の一部になります。他部署の人のことを知るコンテンツを移動中に提供すれば、会場に着いたときにはすでに『あの人と話してみたい』という気持ちが生まれているかもしれません。」

会場に入った瞬間から感情のスイッチが入るよう、「その前の時間」から丁寧に準備する——それがプレショーの本質です。

 

本番:フォーマルとインフォーマルを意識的に組み合わせる

プレショーで期待感を高めた参加者が、当日どのような体験をするか。本番の設計においても、代表には一貫した考え方があります。それは、フォーマルなコミュニケーションとインフォーマルなコミュニケーションを意識的に組み合わせるという視点です。

「経営方針発表や表彰式はフォーマルなコミュニケーションです。一方で、懇親会ではインフォーマルな側面を意識的に引き出していく必要があります。フォーマルだけが続くと、社員は疲弊してしまいます。その疲労を緩和し、むしろモチベーションを高める場として、インフォーマルな時間を意図的に設計することが重要です。」

では、インフォーマルな場をどのように演出するのでしょうか。代表が紹介するのは、参加者自身の「個人的なエピソード」を活用する手法です。「事前に社員アンケートで個人的なエピソードを集め、それをクイズにして懇親会で出題します。自分のことが問題になるというのは、単純に嬉しいですし、普段は仕事でしか接点がない人の意外な一面が見えたりして、会話が生まれやすくなります。結婚や出産など、社員のハッピーな出来事をサプライズでお祝いするような演出も、参加者全員の感情を温める効果が期待できます。」

こうした仕掛けは、参加者を「観客」から「主人公」に変えるための工夫でもあります。社内イベントの場では、参加者はともすれば受け身になりがちです。しかし受け身のままでは、気持ちが会場から離れていってしまいます。

「全社員に手書きメッセージを書いてもらってパンフレットにまとめたり、壁面に展示したりすることもあります。懇親会のゲームで全員が一度はステージに登壇できるような設計にすることも意識しています。自分が参加している、自分もこのイベントを作っているという感覚が生まれると、没入感がまったく変わってきます。」

また、懇親会のテーブル配置についても、代表には明確な考え方があります。「基本的には事業部を超えた混成チームで組むことが多いです。テーブル対抗のゲームを通じて、普段は接点のない社員同士が一緒に笑ったり、悔しがったりする時間を作る。そこで生まれた人間関係のネットワークは、翌日以降の仕事のコミュニケーションにも確実につながります。ただし、会社のフェーズによっては事業部内の結束を優先すべき場面もありますので、そこはクライアントの状況に合わせて変えています。」

 

アフターショー:感動を「日常」に着地させる仕掛け

プレショーと本番の設計に注力する企業は増えてきましたが、代表が特に重要視するのがアフターショー、つまりイベント終了後の設計です。「感動はイベントの中で生まれますが、その感動が組織の変化につながるかどうかは、アフターショーで決まります」と代表は語ります。

「イベントが終わってから何もしなければ、参加者の記憶は1週間もすれば薄れていきます。その感動を日常の仕事に落とし込むための仕掛けが、アフターショーの役割です。」

具体的な手法として代表が挙げるのは、まず「感動を再流通させる素材」の制作です。「たとえば店舗型の企業では、全社員が本社のイベントに参加できるわけではありません。そこで、当日の様子をまとめたポスターや冊子を制作して、店長が持ち帰って店舗のスタッフと共有できる形にします。会場にいなかった人にも、感動の一端が届く設計にするのです。」

記念品の設計にも代表のこだわりが表れます。「集合写真のパネルやノベルティは、見るたびにその日のことを思い出せるものとして選んでいます。机の上に置いていたり、家に飾っていたりするものが、ふとした瞬間にイベントの記憶を呼び起こしてくれる。それがモチベーションの持続につながると考えています。」

そして代表が長期的な視点から強調するのが、映像・写真のアーカイブ化です。「当日の映像と写真は必ず撮影して、きちんとアーカイブとして残すことをお勧めしています。10年後に振り返ったとき、その映像は貴重な社内コンテンツになります。採用活動に使えますし、次のイベントで社史として上映するヒストリー映像の素材にもなります。記録は、未来への投資なのです。」

 

「3段階設計」が組織に与える本当の意味

プレショー・本番・アフターショーという3段階の設計は、単にイベントを「より盛り上げる」ためのテクニックではありません。代表はその本質について、こう語ります。

「社員総会やキックオフは、会社が組織全体に向けて『一緒に同じ方向へ進もう』というメッセージを伝える、数少ない機会です。その機会を当日1日だけの体験で終わらせてしまうのは、非常にもったいないと思っています。プレショーで期待感を育て、本番で感情を動かし、アフターショーで日常に戻す——この流れを丁寧に設計することで、イベントは組織変革の起点になり得ます。」

現場での試行錯誤を重ねてきた代表だからこそ、この言葉には実感が宿ります。イベントを「点」ではなく「線」として捉える設計思想——それがオージャストが社内イベントの支援において大切にしてきたことです。

「当日だけ盛り上がって終わりでは、来年も同じ課題を繰り返すことになります。イベントが終わったあとの組織が変わっているかどうか、それが私たちの仕事の本当のゴールです。」

 

まとめ

今回のインタビューで浮かび上がったのは、社員総会を「当日限りのイベント」として設計することの限界と、プレショー・本番・アフターショーという3段階の時間設計がもたらす可能性でした。代表の考えを整理すると、次のような視点が核心にあります。

・プレショーでは情報を段階的に公開し、参加者が何度もイベントについて考える状態を意図的に作ります。移動時間も体験の一部として設計できます。

・本番では、フォーマルなプログラムとインフォーマルな懇親の場を組み合わせ、参加者全員が「主体」として関わる仕掛けを組み込みます。部署を超えたネットワーク形成も重要な目的のひとつです。

・アフターショーでは、感動を日常業務に着地させる素材(冊子・ポスター・記念品・映像アーカイブ)を用意し、イベントの記憶と熱量を持続させます。映像・写真の記録は、10年後の採用コンテンツや社史映像としても活用できる長期的な資産になります。

社員総会を「組織が変わる起点」にしたいと考えるならば、当日だけを切り取った設計ではなく、その前後も含めた時間全体の設計こそが重要です。

取材・文:オージャスト編集部

 

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オージャストでは、プレショー・本番・アフターショーという3段階の時間設計を軸に、社員総会・キックオフ・表彰式などの社内イベント全体の企画・制作・運営をご支援しています。「当日の盛り上がり」で終わらせず、感動が日常業務や組織文化に波及するまでを見据えた設計が、私たちのアプローチです。フォーマルな式典進行からインフォーマルな懇親会の演出、当日映像のアーカイブ化まで、イベントの全工程を一貫してサポートいたします。社員総会の設計でお悩みの担当者の方は、ぜひオージャストにご相談ください。