社内イベント・クリエイティブ
社内イベント・クリエイティブ制作のオージャスト2026-08-19
2026-08-19
「社内イベントは、やり方を間違えると、組織のエネルギーを奪います。特に業績が下がっているときほど、その危険性は高まります」——そう静かに、しかし確信を持って語るのは、株式会社オージャスト代表の金功勇です。社員総会・表彰式・キックオフ・周年イベントなど、組織を一つにするためのイベントを20年にわたって企画・演出してきた金代表に、業績下降期における社内イベントの本質的なリスクと、それでも社内イベントが組織に果たしうる役割についてお話を聞きました。
目次
社内イベントといえば、どこか「やれば士気が上がる」「開催すること自体に意味がある」という前提で語られることが多いです。しかし金代表は、20年の現場経験を通じて、その前提こそが最も危険な思い込みだと語ります。
「業績が下がっているとき、現場の社員はとても敏感です。数字が厳しくなっている中で、華やかな演出の社内イベントが行われると、社員は『この予算はどこから出ているのか』と考えます。会社が信頼できるかどうかを、イベントという場で試しているんです」
業績が好調なときのイベントは、成果を祝い、次への意欲を高める場として機能しやすいです。しかし下降期には、同じ内容のイベントでも、受け取られ方がまったく変わります。代表は、これを「文脈の問題」と表現します。
「イベントの内容そのものではなく、そのイベントが置かれている文脈が、社員にとってのメッセージになります。業績が下がっている状況で行う豪華なイベントは、経営者が意図しない形で『現状を認識していない』というメッセージとして受け取られることがあります。それは組織への不信感を生む原因になります」
金代表が20年の現場で積み重ねてきたのは、成功体験だけではありません。うまくいかなかった事例、意図とは逆の結果をもたらしてしまったケースの観察もまた、代表の知見の根幹を形成しています。
「業績が厳しい時期に、鼓舞することを目的として表彰式や大型のキックオフを行う企業があります。意図はわかります。士気を高めたい、前を向かせたい——その気持ちは本物です。でも、設計が間違っていると、まったく逆の効果をもたらすことがあります」
では、どのような「設計の間違い」が起きているのでしょうか。代表は具体的に3つの構造的な問題を指摘します。
「まず一つ目は、現実と乖離した演出です。業績が下がっているのに、昨年と同じテンションで『最高の仲間たちと、最高の未来へ』というようなメッセージを伝えても、社員は白けてしまいます。自分たちの状況が見えていない、あるいは無視されていると感じるんです」
「二つ目は、イベントの目的が曖昧なことです。社内イベントの目的は、チームビルディング・モチベーション向上・社員間の交流促進・スキルアップなど様々ですが、業績下降期においては、その目的を特に明確にしなければなりません。『とりあえず去年と同じことをやる』というアプローチは、通常時でも危うく、下降期には致命的になります」
「三つ目は、社員の声が入っていないことです。業績が下がっているとき、社員は現場で多くのことを感じ、考えています。その声を吸い上げず、一方的に経営側が設計したイベントを押し付けると、『自分たちは参加させられているだけだ』という受動性が生まれます。これは組織のエンゲージメントにとって、最も避けたい状態です」
厳しい言葉が続く中で、金代表が強調するのは「だから社内イベントはやめるべきだ」ということではありません。むしろ逆です。正しく設計された社内イベントには、組織を変える力があると代表は信じています。その確信は、20年の現場経験から来ています。
「社内イベントには確かな法則があります。その法則は、東京大学の組織研究や経験経済論、Googleの報酬研究といった理論的な裏付けも持っています。感覚やセンスの話ではなく、人間の心理と組織行動の原理に基づいているんです」
代表がとりわけ重要だと語るのは、「お金ではなく手間をかける」という設計の思想です。予算の大小よりも、どれだけ社員一人ひとりに向き合った設計をしているかが、イベントの成否を分けるといいます。
「規模が大きければいいイベントになるわけではありません。逆に、予算が限られていても、社員一人ひとりの顔を思い浮かべながら設計されたイベントは、参加者の心に残ります。業績下降期こそ、その差が出やすいんです。手間をかけて設計されたイベントは、会社が自分たちのことを本気で考えている、というメッセージになります」
「やってはいけない本当の理由」を語る金代表に、改めて聞いてみました。業績が厳しい時期に、社内イベントは開催すべきなのか、それともやめるべきなのか——と。
「やってはいけない、ということではありません。やり方を間違えてはいけない、ということです。そこは明確に分けて考えてほしいんです」
代表が業績下降期に特に重要だと語るのは、「目的の再定義」と「現実との接続」という二つの軸です。
「業績が下がっているときのイベントは、鼓舞やお祝いを目的にするのではなく、組織の状態を正直に確認し、次に向けて一体感を作るための場として設計し直す必要があります。現状を直視した上で、それでも前を向くという姿勢を、経営が体現する場所としてイベントを機能させるんです」
また、代表は社内イベントの告知や運営プロセスにも注目します。イベントは当日だけではなく、準備の段階から始まっているという考え方です。
「告知の方法や、運営チームの構成も大事です。様々な部署のメンバーで運営チームを作ることで、社内の意見を幅広く集めることができます。参加率も上がりますし、何より『自分たちで作ったイベント』という当事者意識が生まれます。業績下降期においては、この当事者意識こそが、イベントに意味を持たせる鍵になります」
さらに、イベント後のアンケートとフィードバックの重要性も強調します。「やりっぱなし」にしないことが、特に下降期においては不可欠だと語ります。
「終わった後のアンケートは、記憶が薄れないうちに、なるべく早く実施することをお勧めしています。良かった点・悪かった点・改善点を集めて次回に活かすというサイクルが、イベントへの信頼を積み上げていきます。業績が厳しいときに、こういう誠実なプロセスを踏めるかどうかが、組織の地力を試す場面でもあると思っています」
多くの企業で、社内イベントは「やる意味があるのか」「お金の無駄ではないか」と問われ続けています。金代表は、その問いが生まれること自体を、業界の課題として受け止めています。
「社内イベントは『華やかな当日』ばかりが注目されて、その裏側にある設計思想や演出の考え方が見えにくい領域です。だから、多くの会社でイベントの効果が疑われたり、『とりあえず去年と同じことをやる』というルーティンに陥ったりします。私が20年でやってきたのは、その見えない部分を言語化することでもありました」
代表が目指すのは、社内イベントを「なんとなくやる行事」から「組織の設計思想を体現する場」へと変えることです。
「社員総会も表彰式も、キックオフも社員旅行も、それ自体が目的ではありません。その場を通じて、社員一人ひとりが組織の一員であるという実感を持てるかどうか——そこが本質です。業績が好調なときも、下降しているときも、この本質は変わりません。むしろ、業績が下がっているときのほうが、その本質が問われます」
「やってはいけない本当の理由」とは、社内イベントという形式を踏んでいながら、社員への誠実さを欠いていることへの警告でもあります。代表の言葉は、社内イベントの設計に関わるすべての人へ、形式より本質を問い続けることの大切さを伝えています。
業績下降期に社内イベントをやってはいけない「本当の理由」とは、開催すること自体が問題なのではなく、現実と乖離した演出・目的の不明確さ・社員の声が入っていない一方的な設計が、組織への不信感を生むからです。金代表が20年の現場から語るのは、イベントの成否を分けるのは予算の大小ではなく、社員一人ひとりに向き合った「手間をかける設計」であるということです。業績が厳しい時期ほど、イベントの目的を再定義し、現実と正直に向き合いながら、組織の一体感を丁寧に作り上げることが求められます。そのプロセスを誠実に踏めるかどうかが、組織の本当の地力を決めるのです。
取材・文:オージャスト編集部

オージャストは、社員総会・キックオフ・表彰式・社員旅行などの社内イベントの企画・制作・運営を支援しています。20年の現場経験から積み上げた設計の方法論を持ち、「目的を明確にすること」「社員一人ひとりに向き合う手間をかけること」を大切にしながら、お客様の組織の状況に合ったイベントづくりをご提案しています。業績下降期をはじめ、組織のどのような局面においても、形式だけでなく本質的な価値を届けるイベント設計を、ぜひオージャストにご相談ください。
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