社内イベント・クリエイティブ
社内イベント・クリエイティブ制作のオージャスト2026-09-30
2026-09-30
社員総会や表彰式、キックオフミーティング。多くの企業がこうした社内イベントを年に何度か開催しています。しかし「なんとなく毎年やっているが、社員の反応がいまひとつ」「表彰式を開いても翌日には盛り上がりが消えてしまう」という声も少なくありません。社内イベントの企画・制作・運営を支援する株式会社オージャスト代表の金功勇に、社員の心を動かす演出の本質についてお話を聞きました。
目次
社内イベントの現場を長く見てきた代表が、まず口にしたのは「受け身の企画の限界」についてでした。
「経営方針の発表や業績報告は大切なコンテンツです。ただ、それだけで終わってしまうと、社員は情報を受け取るだけになってしまいます。聞いて、拍手して、終わり。それでは翌日の行動が変わりません。」
実際にオージャストが支援した成果発表会の事例では、それまで「聞くだけ」の構成が主だったプログラムに、優秀な社員が自分のノウハウを共有するコーナーを組み込みました。ただの発表会ではなく、見ている人が「明日から仕事に使える」と感じられる内容にするため、シナリオの設計から演出まで一貫して関わったといいます。
「大事なのは、参加した社員が何かを持ち帰れるかどうかです。情報ではなく、エネルギーや気づきを持ち帰れるイベントにすることが、私たちが目指している演出の方向性です。」
表彰式の設計において、代表が特に強調するのは「会場全体を動かす」という発想です。受賞者を称えることはもちろん大切ですが、それだけが目的になると、受賞しなかった社員にとって他人事の時間になってしまう、と代表は語ります。
「表彰式でよくある失敗は、受賞者だけにスポットライトが当たって、ほかの人が傍観者になってしまうことです。でも、本来は受賞者の姿を見た社員が『自分も次はああなりたい』と思える場になってこそ、表彰式の意味があるのではないでしょうか。」
そのために有効なのが、受賞者の功績をストーリーとして見せる映像(VTR)の活用です。数字の結果だけを読み上げるのではなく、その人がどんな苦労をして、どんな工夫でその成果を生み出したのかを短い映像でまとめると、会場全体が受賞者の歩みに共感しやすくなります。
「VTRを流したとき、会場がしんと静まる瞬間があります。みんなが画面に引き込まれているときの空気感です。そこで受賞者が壇上に立つと、拍手の質がまったく違います。何も知らないまま名前を呼ばれるのと、背景を知ったうえで迎えるのとでは、受け取り方が大きく変わります。」
また、同僚からの推薦コメントを読み上げる演出も、会場に一体感を生む効果が期待できます。上司や経営幹部からの言葉だけでなく、横のつながりからの言葉が加わることで、受賞者への敬意がより身近なものとして伝わるといいます。
演出の話になると、代表の言葉は一気に具体的になります。感動を生む場は「大きな仕掛け」だけではなく、細部の積み重ねで成り立っている、というのが代表の持論です。
「たとえば照明ひとつ取っても、受賞者が壇上に上がる瞬間にスポットが当たるのか、全体が明るいままなのかで、会場の集中度がまったく異なります。BGMも同じです。受賞者が歩いてくる間に流れる音楽が、場の緊張感や高揚感を左右します。」
プロジェクションマッピングを活用したステージ演出の事例では、箱根温泉という立地の制限から大掛かりな施工が難しい状況の中、映像で場面に合わせたステージ演出を完結させる提案を行いました。施工コストを抑えながらも、壇上に立つ受賞者を特別な空間の中で輝かせるという目的をしっかりと達成しています。
「制約があるからこそ、知恵が出ます。予算や会場の条件の中で、どうすれば社員の成長意欲を刺激できるかを考えるのが、私たちの仕事です。大がかりな設備があれば感動するわけではなく、何を伝えたいかが明確であれば、シンプルな演出でも心は動きます。」
動線の設計も見落とされやすいポイントです。受賞者が壇上に上がる経路、降壇後の記念撮影の流れ、次の演目への転換のタイミング。これらがスムーズであることで、会場全体のテンポが保たれます。逆に動線が曖昧だと、受賞者本人が戸惑い、その姿を見た参加者の緊張感も途切れてしまいます。
「台本には時間配分だけでなく、担当者と転換のきっかけ(キュー)も明記します。司会者と登壇者が次の動きを把握していないと、会場に沈黙が生まれます。その沈黙は演出上の沈黙ではなく、段取りの沈黙なので、雰囲気がガクッと落ちてしまうんです。」
期初のキックオフミーティングは、社員が新しい期に向けて気持ちを一つにする場です。経営方針を伝えるだけでなく、現場の社員が「自分ごと」として受け取れる設計ができるかどうかが、その後のパフォーマンスに関わってくると代表は話します。
「キックオフは、年度の最初にチームの熱量をどれだけ高められるかが問われます。方針を聞いて終わりではなく、それを聞いた社員が何を感じ、何をしようと思うかが大事です。そのために、経営側のメッセージの届け方と、現場社員が関与できる仕掛けの両方を設計します。」
具体的には、前期の成果をVTRや数字で振り返るオープニングから始め、今期のテーマを経営者が熱を持って語る時間をつくります。さらに、現場のチームが発表する場を設けることで、参加する社員が「自分たちがつくっているイベント」として感じられるようになります。
「聞いているだけの時間が長くなると、どうしても集中力が落ちます。適切なタイミングで参加者が動いたり、発言したり、周囲と話したりできる仕掛けを入れることで、会場の温度が保たれます。」
また、キックオフは経営層と現場社員の距離を縮める機会でもあります。代表自身が「社員にとって、経営者が何を考えているかを肌で感じられる場にすること」を大切にしているといいます。スライドで方針を示すだけでなく、経営者の言葉と表情が直接届く時間の設計が、信頼感の醸成につながるのだそうです。
取材を通じて一貫して伝わってきたのは、「演出は感性ではなく、準備の精度で決まる」という代表の信念です。
「感動的な場面は、偶然生まれるものではありません。受賞者の名前の読み方を間違えたり、登壇のタイミングがずれたりすると、その一瞬で緊張の糸が切れてしまいます。だからこそ、事前の読み合わせ、リハーサル、動線確認を徹底します。当日に即興でうまくいくことは、ほとんどありません。」
入社式・懇親会の支援を3年にわたって続けてきた事例では、ご両親からのサプライズお手紙映像を流した際に、会場全員が涙するシーンが生まれたといいます。これも、映像の内容・タイミング・会場の照明・司会の語りかけ、それぞれの細部が積み重なった結果です。
「感動した、という声を聞くたびに、嬉しいと同時に『あの準備があったからだ』と思います。演出の派手さよりも、段取りの丁寧さが人の心を動かします。私たちが大切にしているのは、そこです。」
表彰式の効果は、終了後のアンケートや、その後の行動変容(目標達成意欲の変化)で測ることができます。その記録を翌年の改善に活かしていくことで、社内イベントはより精度の高いものになっていきます。代表は「一度やって終わりではなく、毎回学びながら積み上げていく」というサイクルの重要性も強調していました。
社員の心を動かす表彰式・キックオフに必要なのは、大がかりな設備や高額な予算だけではありません。「全員が当事者になれる設計」「受賞者の背景をストーリーとして伝えるVTR」「照明・BGM・動線の細部への配慮」「徹底したリハーサルと台本の精度」――これらの積み重ねが、会場に生きた空気をつくります。代表が語る「感動は段取りから生まれる」という言葉は、社内イベントの本質を鋭くついています。社員一人ひとりがエネルギーと気づきを持ち帰れる場の設計こそが、翌日以降の行動変容につながるのです。
取材・文:オージャスト編集部

オージャストは、表彰式・キックオフ・社員総会など社内イベントの企画・演出設計・VTR制作・台本作成・当日運営まで一気通貫で支援しています。「受賞者を輝かせたい」「社員全員が当事者として関われるキックオフにしたい」といったご要望に対して、会場の条件や予算の制約を踏まえながら、社員の心が動く場づくりをご提案しています。社内イベントの演出にお悩みの際は、ぜひオージャストにご相談ください。
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