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創業者インタビューが社内イベント設計の出発点になる理由——オージャスト代表が語る「深掘り」の技法

2026-09-16

創業者インタビューが社内イベント設計の出発点になる理由——オージャスト代表が語る「深掘り」の技法

2026-09-16

社内イベントを企画するとき、多くの担当者はまず「何をするか」を考え始めます。会場を探し、コンテンツを選び、スケジュールを組む——その順番が当たり前のように感じられるかもしれません。しかし、株式会社オージャスト代表の金功勇は、その前段階に欠かせないステップがあると言います。それが「創業者インタビュー」です。社内イベントの企画歴20年を持つ代表が、なぜ創業者の言葉を出発点に置くのか。その理由と、現場で実践してきた深掘りの技法について、お話を聞きました。

 

「何をやるか」より先に「なぜ存在するか」を問う

社内イベントの相談を受けるとき、代表はまず担当者に一つの問いを返すといいます。「御社が存在する理由を、一言で言えますか」——その問いに即答できる担当者は、決して多くないそうです。

「社内イベントの設計をお手伝いするなかで感じるのは、コンテンツや演出の話に入る前に、会社そのものの『なぜ』が整理されていないケースが非常に多いということです。表彰式をやりたい、キックオフをやりたい、という要望はあるのですが、それが組織のどんな文脈のなかに位置づけられるのかが、まだ言語化されていないことが多いです」

代表が社内イベントを「モメンタムの強化装置」と定義するのは、こうした現場感覚から来ています。組織に勢いをもたらすためには、まず今の組織がどんな物語のなかにいるのかを把握しなければならない。そのための最も確かな情報源が、創業者の言葉だと代表は語ります。

「創業者には、会社を始めた理由があります。誰かを救いたかった、業界の常識を変えたかった、あの体験をもう誰にもさせたくなかった——その原体験こそが、会社の『なぜ』の根っこです。社内イベントはその根っこから設計しないと、どれだけ演出を磨いても表面的なものになってしまいます」

 

創業者インタビューが「ハレの舞台」を本物にする

代表は日本の伝統的な概念「ハレとケ」を、社内イベント設計の重要な柱の一つとして位置づけています。日常の苦労(ケ)に対して、努力が報われる瞬間をみんなで祝う舞台(ハレ)を意識的に用意することが、企業の役割だという考え方です。しかし、その「ハレの舞台」が社員の心に届くためには、舞台に乗る物語が本物でなければならないと、代表は強調します。

「オリンピックや甲子園がなぜあれほど感動を呼ぶかというと、選手一人ひとりにストーリーがあるからです。ここまで何を乗り越えてきたか、何を懸けているか——それが伝わるから、観る人の感情が動きます。社内イベントも同じで、会社がどんな想いで始まり、どんな壁を越えてきたかが伝わって初めて、社員は舞台の上に自分たちを重ね合わせることができます。そのストーリーの源泉が、創業者の話のなかにあるのです」

創業者インタビューを経ずに設計されたイベントは、どれほど豪華であっても「借り物の舞台」になりやすいといいます。逆に、創業者の原体験から紡がれた言葉が演出の軸に据えられると、小さなイベントでも社員の記憶に深く刻まれるものになる——それが20年の現場から代表が得た確信です。

 

深掘りのための具体的な問いかけ——「なぜ」を三層まで掘り下げる

では、創業者インタビューで何を聞けばよいのでしょうか。代表は、よくある「創業の経緯を教えてください」という問い一つでは不十分だと言います。重要なのは、「なぜ」を三層まで掘り下げることだそうです。

「最初の『なぜ』は、創業者がきっかけとして語る表層の答えです。でも、そこで『なるほど、ありがとうございます』と終わってしまうと、ほとんどの場合、社内イベントに使えるほどの強度を持った言葉は出てきません。『なぜそのきっかけがあなたにとって重要だったのですか』と重ねて聞く。さらに『それはあなたのどんな経験や価値観と結びついているのですか』ともう一層掘る。そこで初めて、その人にしか語れない言葉が出てくることが多いです」

代表がとくに大切にしているのは、「感情の動いた瞬間」を具体的に引き出すことだといいます。いつ、どこで、誰に対して、何を感じたか——その具体性が、後の演出に「温度」を与えるからです。

「創業者が話してくれる言葉のなかに、思わず声が詰まる瞬間があります。そこが本物のコアです。その瞬間を見逃さずに、『そのとき、どんな気持ちでしたか』と、もう一度立ち止まって聞く。インタビュアーが感情を共にしながら聞くことができると、創業者もより深いところまで話してくれるようになります」

また、代表は「失敗や迷いの話」を積極的に引き出すことも勧めます。成功体験だけを並べたストーリーは、社員にとって遠い存在になりやすいからです。

「創業者が一番苦しかった時期、やめようと思った瞬間、判断を間違えて誰かを傷つけてしまったこと——そういう話のなかにこそ、その人の本質的な価値観が浮かび上がります。完璧なリーダーの物語より、弱さを抱えながらも諦めなかった人間の物語のほうが、社員の心には刺さります」

 

インタビューの言葉を「イベントの設計図」に変換する方法

創業者インタビューで得た言葉を、実際の社内イベントの設計にどう活かすか——代表は、この変換プロセスこそが演出の腕の見せどころだと語ります。

「インタビューが終わったら、まず出てきた言葉を三つのレイヤーに整理します。一つ目は『会社が何のために存在するか(目的)』、二つ目は『その目的に向かってどんな壁を越えてきたか(軌跡)』、三つ目は『社員に何を受け継いでほしいか(意志)』です。この三つが揃うと、社内イベントで伝えるべき物語の骨格が見えてきます」

その骨格をもとに、どの場面でどんな演出を使うかを決めていくのが次のステップです。たとえば社員総会であれば、創業者の言葉を映像で届けるのか、登壇してもらうのか、あるいはイベントのテーマコピーとして言語化するのか——インタビューで得た言葉の「温度」に応じて、最適な届け方が変わってくると代表は言います。

「ポイントは、インタビューで出てきた言葉をそのまま使うのではなく、社員が受け取りやすい形に翻訳することです。創業者が使う言葉と、社員が日々の仕事で使う言葉は、しばしばずれています。そのずれを埋めて、創業者の想いを社員の言葉に近い形で届けること——それが設計者の仕事の一つだと思っています」

また、代表は「イベントの冒頭に創業者インタビューを集約したショートムービーを置く」という構成を、多くのイベントで効果的だと感じているといいます。冒頭で会社の「なぜ」を全員で共有することで、その後のプログラム全体が一つの文脈のなかに収まるからです。

「社内イベントは、バラバラなプログラムの集まりではなく、一つのストーリーとして体験されるべきものです。創業者の言葉を冒頭に置くことで、『今日この場にいる意味』が全員に伝わる。そこから先の表彰も、チームワークのプログラムも、すべてが意味を帯びてきます」

 

「手間をかける」とはどういうことか

代表が繰り返し語るのは、「お金をかけることではなく、手間をかけること」が社内イベントの本質だという信念です。創業者インタビューは、まさにその「手間」の最たるものだと言えます。

「創業者インタビューをきちんとやるためには、事前準備として会社の歴史を調べ、創業者のこれまでの発言を読み込み、何を聞くかを設計する必要があります。当日のインタビュー時間は長くても2時間程度でも、その前後の準備と整理を含めると、相当な手間がかかります。でも、そこに手間をかけたかどうかが、イベント当日の『深さ』に直接出てくるのです」

代表は、社内イベントに携わる担当者に向けて、こんな言葉も残しています。

「創業者インタビューをしっかりやると、副産物として担当者自身が会社に対する理解を深めます。なぜこの会社があるのか、何を大切にしてきたのか——それが腹落ちした状態でイベントを設計すると、細部の判断が変わります。『この演出はうちの会社の文脈に合っているか』という問いが、自然に出てくるようになります。それは、単に良いイベントを作るという以上の価値があると思っています」

 

まとめ

社内イベントの設計は、コンテンツ選びや会場決めよりも前に、「なぜこの会社は存在するのか」という問いへの答えを持つことから始まります。代表が語るように、創業者インタビューはその答えを最も豊かな形で引き出せる手段です。「なぜ」を三層まで掘り下げること、感情が動いた瞬間を見逃さないこと、失敗や迷いの話を積極的に引き出すこと——こうした深掘りの技法によって得られた言葉が、社員の心に届く「ハレの舞台」を設計するための本物の材料になります。お金ではなく手間をかけること。その手間の最初の一歩が、創業者インタビューです。

取材・文:オージャスト編集部

 

社内イベント企画はオージャストにおまかせください

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オージャストは、社員総会・キックオフ・表彰式・周年イベントなど、さまざまな社内イベントの企画・制作・運営を支援しています。
代表の金功勇が語るように、私たちはコンテンツの設計に入る前に、会社の「なぜ」を丁寧に聞くところから一緒に考えます。
創業者インタビューの設計から演出への落とし込みまで、20年の現場経験に基づいたサポートで、社員の記憶に残るイベントづくりをお手伝いします。社内イベントの企画でお悩みの際は、ぜひオージャストにご相談ください。