社内イベント・クリエイティブ
社内イベント・クリエイティブ制作のオージャスト2026-08-31
2026-08-31
「経理や人事、総務は縁の下の力持ちだとわかっているが、現場からはなかなか感謝されにくい」――そんな声を人事・総務担当者からよく耳にします。売上や顧客数といった数字で貢献度が可視化されやすい営業部門や開発部門と異なり、バックオフィス部門の仕事は目に見えにくく、社内での存在感が薄れがちです。その結果、部門間に見えない壁ができ、組織全体のコミュニケーションが停滞してしまうケースも少なくありません。
本記事では、部門横断型の交流イベントを活用して、バックオフィス部門の価値を社内全体に認知させるためのプログラム設計の考え方と具体的なアプローチをご紹介します。社内イベントの企画を担当する人事・総務・経営企画の方々にとって、実務的なヒントになれば幸いです。
目次
バックオフィス部門が社内で正当に評価されにくい背景には、業務の性質そのものがあります。経理・財務・人事・法務・総務といった部門は、会社が円滑に動くための基盤を整える役割を担っています。しかし、その仕事は「問題が起きなければ気づかれない」という特性を持っています。給与計算が正確に行われても誰も特別に感謝しませんが、ミスが生じた瞬間に強い不満が発生します。これはインフラと同様の構造で、存在することが当たり前とみなされやすいのです。
加えて、日常業務において他部門とのやり取りが限られているため、バックオフィス担当者の人柄や専門知識、日々の工夫が現場社員に届く機会が少ないという問題もあります。制度を整備しても、それが誰によってどのような思いで設計されたのかが伝わらなければ、温度感のある評価にはつながりません。こうした「見えにくさ」を意図的に解消するための場が、部門横断型の交流イベントです。
部門横断型の交流イベントには、大きく分けて二つの役割があります。一つは、異なる部門の社員が互いの仕事を知り、信頼関係を築くチームビルディングの機能です。もう一つは、日常業務では接点の少ないバックオフィス部門の業務内容や存在意義を、体験を通じて他部門に伝える広報的な機能です。この二つを意識してプログラムを設計することが、単なる親睦会で終わらせないための鍵となります。
社内イベントの目的として「社員の交流促進」を掲げる企業は多いですが、そこにバックオフィス部門の価値認知という目的を加えることで、イベントの意義が一段と深まります。参加者が「楽しかった」で終わるのではなく、「あの部門がこんな仕事をしているとは知らなかった」「あの人と話してみて、仕事のイメージが変わった」という気づきを持ち帰れるように設計することが重要です。
バックオフィス部門の価値認知を目的とした部門横断型交流イベントを設計する際は、以下の三段階のフレームで考えると整理しやすくなります。それぞれの段階で、参加者の意識がどのように変化するかを想定しながらプログラムを組み立てていきましょう。
普段接点の少ない部門の人間が一堂に会しても、最初は緊張感や距離感があるものです。この壁を取り除くために、まずは部門を混在させたグループを編成し、気軽に参加できるアイスブレイクを行うことをお勧めします。たとえば、雑学クイズ大会やジェスチャーゲーム、お絵かき伝言ゲームなど、勝ち負けよりも「一緒に笑える」体験を優先したコンテンツが効果的です。グループ内に必ずバックオフィス部門の社員が含まれるよう人数調整することで、自然な形で他部門との対話のきっかけが生まれます。
アイスブレイクで場が温まったら、バックオフィスの業務を他部門が体験・理解できるコンテンツへと移行します。ここが本プログラムの核心部分です。単に「うちの部門はこんな仕事をしています」と説明するだけでは、印象に残りにくいものです。重要なのは、体験・ゲーム・対話を通じて「知る」という構造を作ることです。
・業務体験ミニワーク
たとえば人事部門であれば、採用選考の模擬面接官体験や、福利厚生制度の設計を題材にしたグループワークが考えられます。総務部門であれば、備品調達の優先順位を決めるシミュレーションゲームなどが有効です。参加者が「これを毎日やっているのか」と実感することで、業務の難しさや専門性への理解が深まります。
・バックオフィス部門メンバーによるプレゼン
各部門の担当者が3〜5分程度で「私たちがやっていること、なぜそれが会社を支えているのか」を自分の言葉で話すセッションも効果的です。資料は最小限にとどめ、エピソードを交えた語り口で話すことで、人柄と仕事への姿勢が伝わりやすくなります。
・部門間Q&Aコーナー
「バックオフィスに聞いてみたかったこと」をその場でフリー質問できるコーナーを設けることで、相互理解が促進されます。匿名の事前アンケートで質問を集め、当日読み上げる形にすると、聞きにくかったことも自然に解消できます。
交流を一過性のイベントで終わらせないために、プログラムの終盤では感謝を「形」にするコンテンツを組み込みましょう。具体的には、参加者がその場で「感謝メッセージカード」を書き合い、バックオフィス部門のメンバーに手渡すというアクションが有効です。書く側にとっては相手の仕事を改めて言語化する機会になり、もらう側にとっては日頃の努力が認められるという体験になります。
また、イベント後に社内報やイントラネットで当日の写真や参加者コメントを紹介することで、参加できなかった社員にも内容が届き、部門間の相互理解が組織全体に波及していきます。
部門横断型イベントの成否を左右する重要な要素の一つが、グループ編成です。参加者が自然と部門の壁を超えて交流できるよう、以下の点を意識して編成を設計してください。
・各グループに必ずバックオフィス部門のメンバーを1〜2名含める。人数が多い部門に偏ると、バックオフィスメンバーが孤立したり、逆に目立ちすぎたりするリスクがあります。バランスを意識した配置が大切です。
・役職・年次をミックスする。役職や年次が近い人同士だけでグループを作ると、話題が限定されがちです。あえて役職の異なるメンバーを混在させることで、普段の業務では生まれにくい対話が促進されます。
・グループ名やチームロゴを冒頭に作成するアクティビティを挟む。これはアイスブレイクと一体化させることができ、「自分たちのチーム」という意識が生まれることでその後の活動への参加意欲が高まります。
運営面では、進行役(ファシリテーター)の存在が非常に重要です。特定の部門や参加者が発言を独占しないよう、バランスよく場を回せる人材をアサインするか、外部のプロに依頼することも選択肢の一つです。また、時間管理を徹底し、各コンテンツの持ち時間を明確に設定しておくことで、プログラム全体のテンポが保たれます。
イベント当日の設計と同様に、事前準備とイベント後の振り返りも効果を高めるために欠かせません。まず事前準備として、バックオフィス各部門の担当者に「自分たちの仕事の中で、他部門に知ってほしいこと」をヒアリングし、プログラムに反映させましょう。担当者自身がイベントに対して主体的に関わることで、当日の発信にも熱が込もります。
また、参加者への事前告知の段階で「このイベントはバックオフィス部門の仕事を知るためのプログラムも含まれています」と明示しておくことが大切です。参加者が心の準備をした状態で臨むことで、体験コンテンツへの理解度と吸収率が高まります。
イベント後には、参加者アンケートを実施して「バックオフィス部門への理解が深まったか」「他部門との交流に対する印象が変わったか」などを数値で把握しましょう。定性コメントも収集し、次回の設計改善に活かすことが重要です。さらに、イベント後に部門を超えた自発的なコミュニケーションが増えたかどうかを中長期的に観察することで、プログラムの効果を継続的に評価できます。
部門横断型交流イベントは、一度開催して終わりにするのではなく、定期的に継続することで社内文化として根付かせることが理想です。たとえば、半期に一度の社内イベントのひとつとして位置づけたり、各部門が持ち回りで「部門紹介コーナー」を担当するシリーズ企画にしたりすることが考えられます。
また、Sansanが導入している「Know Me」のように、部門間の社員同士が少人数で食事や飲み会に行くことを制度として後押しする仕組みを福利厚生として設けることも、イベントで生まれた関係性を日常に持ち込む有効な手段です。交流のきっかけをイベントで作り、それを日常のコミュニケーション習慣につなげていくという連鎖設計が、組織風土の変革に向けた現実的なアプローチといえるでしょう。
バックオフィス部門の価値認知という課題は、一度のイベントで解決できるものではありません。しかし、設計を工夫した交流イベントを積み重ねることで、「あの部門がいるから会社が動いている」という認識が少しずつ浸透し、組織の一体感や心理的安全性の向上につながることが期待できます。
参考:Know Me 制度 | Sansan株式会社 – UWORK(ユーワーク)
バックオフィス部門の価値は、日常業務の中では可視化されにくいという特性があります。この課題を解決する手段として、部門横断型の交流イベントは大きな可能性を持っています。プログラム設計においては、アイスブレイクで心理的な距離を縮め、業務体験やプレゼン・Q&Aを通じてバックオフィスの仕事を実感させ、感謝の表現で関係性を定着させるという三段階の構造が有効です。グループ編成や進行設計にも細やかな配慮が必要であり、事前準備と事後の振り返りまで含めて一貫したプロセスとして捉えることが成功の鍵となります。継続的に実施することで、部門間の相互理解が組織文化として根付き、会社全体のエンゲージメント向上にも寄与することが期待できます。

株式会社オージャストは2006年の設立以来、社員総会・キックオフ・表彰式・社員旅行など社内イベントに特化したプロデュースを行ってきた専門会社です。部門横断型の交流イベントについても、目的に合わせたプログラム設計から当日の進行・運営まで一貫してサポートいたします。バックオフィス部門の価値認知やチームビルディングなど、貴社の課題に応じた企画をご提案しますので、社内イベントのご検討際はぜひオージャストへご相談ください。
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