社内イベント・クリエイティブ
社内イベント・クリエイティブ制作のオージャスト2026-08-12
2026-08-12
「表彰式」と聞いて、どんな場面を思い浮かべるでしょうか。全社員が集まるなかで売上トップの営業パーソンが壇上に立ち、拍手を受ける——そんな光景を想像する方が多いかもしれません。しかし、その設計のままでは表彰されるのは毎回同じ顔ぶれになりがちで、称えられない大多数の社員は傍観者になってしまいます。この課題に長年向き合い、「表彰コンサル」というサービスとして体系化してきたのが、株式会社オージャスト代表の金功勇です。社内イベントの企画・制作・運営を手がける同社が提唱する「表彰のギネス化」という考え方について、詳しくお話を聞きました。
目次
多くの企業が年に一度、あるいは半期に一度、表彰式という場を設けています。しかしその設計を問い直してみると、評価軸が「売上金額」や「契約件数」といった定量的な成果に偏り、表彰される顔ぶれが固定化されているケースは少なくありません。代表はこの構造的な課題を、社内イベントの現場で繰り返し目撃してきたと言います。
「表彰式の会場で、壇上に上がれない社員の表情を観察していると、だんだん他人事になっていくのがわかります。自分には関係ない、と思った瞬間にその場の熱量は半減してしまいます。本来であれば全員が当事者として関われる設計にできるはずなのに、もったいないと感じてきました。」
表彰式は単なる成果発表の場ではなく、組織全体の価値観を可視化し、社員一人ひとりのモチベーションに直接働きかける機会です。その設計次第で、イベント後の職場の空気感や、社員同士のコミュニケーションの質が大きく変わってくると代表は強調します。
では、どうすれば「全員が当事者」になれる表彰式を設計できるのでしょうか。代表が提唱するのが、表彰カテゴリを多様化・細分化する「ギネス化」という考え方です。ギネス世界記録が「最も〇〇な人」という形で記録のカテゴリ自体を増やし続けているように、社内表彰においても評価の軸そのものを増やすことで、受賞できる人の数を大幅に増やすという発想です。
「売上額だけを軸にすれば、受賞できるのは上位数名に限られます。でも、たとえば『最も多くの部署と連携したプロジェクト』『最も長期にわたって顧客に伴走した担当者』『社内の誰よりも早くナレッジを共有し続けた人』といった軸を設けると、まったく別の層の社員に光が当たります。営業成績では目立たなくても、組織の土台を支えている人たちがいるはずです。そういう人たちを可視化することが、表彰の本来の役割だと思っています。」
この「ギネス化」の考え方で重要なのは、「増やせばいい」というシンプルな話ではないという点です。評価軸を増やすにあたっては、その企業が大切にしている行動規範や文化、中長期的に醸成したい組織の姿と紐づいている必要があります。軸がバラバラで体系化されていない状態では、受賞者が増えても「なぜ自分が選ばれたのかわからない」という状況が生まれ、かえって表彰の意義が薄れてしまいます。
「表彰カテゴリを設計するときは、必ずその会社の経営理念やバリューに立ち返ります。『この会社が本当に大切にしていること』を体現している行動はどんなものか、というところから逆算して軸を作っていきます。そうすることで、受賞者は自分がなぜ選ばれたのかを腹落ちして理解できますし、周囲の社員も『次は自分もあの軸で狙えるかもしれない』と感じられるようになります。」
「ギネス化」によって受賞者が増えると、次に何が起きるのでしょうか。代表が注目するのは、表彰式後の社内における「評判情報の流通」という現象です。
表彰された社員は、式の翌日から職場で話題になります。「あの人がああいう形で表彰されていた」という情報は、同僚や後輩の間で自然に共有されます。一人の受賞者にスポットが当たるとき、その受賞者の仕事ぶりや行動の特徴が周囲に伝わり、それが組織内の暗黙のロールモデルとして機能し始めます。
「表彰式が終わった後に、社内でどんな会話が生まれるかが重要です。受賞した人のことが話題になればなるほど、その人の仕事の仕方や姿勢が組織に広まっていきます。これは経営者がトップダウンで『こういう行動をとってほしい』と伝えるよりも、ずっと自然な形で組織文化に浸透していきます。表彰式は、式の当日だけのイベントではなく、その後の評判情報の流通を設計するメディアとして捉えるべきだと考えています。」
受賞者が多ければ多いほど、表彰式後に職場で生まれる「あの人が表彰されていたね」という会話の総量が増えます。その会話ひとつひとつが、組織が大切にしたい行動を広める媒体となり、やがて組織全体の行動規範として根付いていくというのが、代表の描く表彰設計のシナリオです。
「社内ヒーローを量産するというのは、大げさな言い方に聞こえるかもしれませんが、要はロールモデルを増やすということです。ロールモデルが一人しかいない組織では、似たようなタイプの人しか活躍しているように見えません。でも、多様な軸でヒーローが生まれると、『自分も何かの軸で貢献できるかもしれない』という感覚が組織に広がります。それが組織全体のエンゲージメントの底上げにつながっていくと思っています。」
表彰設計の思想を語るにあたって、代表がもう一つ強調するのが「演出とクリエイティブの重要性」です。どれだけ優れた評価軸を設計しても、当日の表彰式の演出が平板であれば、受賞者の感動は薄くなり、周囲の記憶にも残りにくくなります。
「表彰式というのは、受賞者にとって一生に数回あるかどうかの舞台です。その場の演出やクリエイティブが、その人がどれだけ自分の仕事に誇りを持てるかに直結します。映像で受賞者の仕事のプロセスや同僚からのコメントを紹介する、壇上に上がるときの照明や音楽にこだわる——そういった細部の積み重ねが、受賞者の感情を動かし、それを見ている周囲の社員の心にも響かせます。」
オージャストが「表彰コンサル」として関わる際には、評価軸の設計段階から当日の演出・映像制作まで一気通貫で支援しています。評価軸を決める段階でどんな映像や演出が効果的かを見据え、逆に演出の可能性から評価軸の見せ方を発想するという、双方向のアプローチが同社の特徴の一つです。
「企画とクリエイティブを別々に考えてしまうと、どこかでずれが生じます。『この人はこういう仕事をしてきた人だ』というストーリーを最初から一貫して設計し、そのストーリーを式の当日にどう可視化するかを同時に考えることで、受賞者も、見ている社員も、同じ感情体験ができるようになります。」
また、式当日だけでなく、表彰後のコンテンツ展開についても代表は言及します。受賞者のインタビュー映像や写真を社内報やイントラネットで展開することで、式の場にいなかった社員や別拠点の社員にも評判情報が届く仕組みを作ることができます。これによって、表彰式の「賞味期限」を式当日から大幅に延ばすことが可能になるのです。
話が深まるにつれて、代表が表彰設計に込める思いの根幹が見えてきます。それは「貢献が見えている組織は強い」という確信です。
「組織のなかで、誰がどんな形で貢献しているかが可視化されていると、社員同士の信頼関係の構築が早くなります。あの人はこういうことが得意で、こういう仕事をしてきた人だという情報が組織に流通していると、連携が生まれやすくなりますし、助け合いの文化が育ちやすくなります。表彰は、そのきっかけを意図的に作る仕組みとして機能します。」
特に昨今、働き方の多様化やリモートワークの浸透によって、社員同士が互いの仕事ぶりを自然に把握する機会は減少しています。以前であれば職場での何気ない会話や、仕事ぶりを間近で見ることで自然に流通していた評判情報が、オフィスに集まる機会が減った分だけ流通しにくくなっています。
「だからこそ、表彰式という場を意図的に設計することの意義が高まっていると感じています。偶然に任せていては評判情報が流通しにくい環境になってきているぶん、『この人がこういう貢献をしている』という情報を意図的に可視化し、組織に流通させる仕組みが必要です。表彰式はそのための有力な手段の一つです。」
同時に代表は、表彰設計があくまで手段であることも忘れてはならないと語ります。目指すのは「表彰式をうまくやること」ではなく、表彰式を通じて組織の文化が豊かになり、社員一人ひとりが自分の貢献に誇りを持てる状態を作ることです。その目的を常に中心に据えながら設計を進めることが、表彰コンサルとして支援する際の大前提だと言います。
表彰式は、設計次第で「一部の人のためのセレモニー」にも「組織全体を動かすメディア」にもなります。代表が提唱する「表彰のギネス化」は、評価軸を増やすことで受賞者を増やし、社内に多様なロールモデル(ヒーロー)を生み出し、その評判情報が組織全体に自然に流通していく設計思想です。重要なのは、評価軸の設計が自社の理念・文化と連動していること、そして式当日の演出・クリエイティブによって受賞者と観衆の感情体験が一致するように作り込まれていることです。表彰式後の社内に「あの人がああいう形で評価されていた」という会話が広がるとき、組織は静かに、しかし確実に変わっていきます。
取材・文:オージャスト編集部

オージャストでは、表彰カテゴリの設計(表彰コンサル)から当日の演出・映像制作・運営まで、社内表彰式に関わる一連のプロセスをトータルで支援しています。社員総会・キックオフ・表彰式といった社内イベントの企画・制作・運営を手がけてきた知見を活かし、貴社の組織文化や経営理念に沿った表彰設計をご提案します。「毎回同じ顔ぶれしか表彰されない」「表彰式が形骸化してきた」とお感じの人事・総務・経営企画ご担当者の方は、ぜひオージャストにご相談ください。
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